リモコン、キッチンタイマー、体温計、LEDライト、おもちゃ。家の中には、ボタン電池やコイン形電池を使う製品がたくさんあります。小さな子どもがいる家庭では、これらの電池が子どもの手に届かないよう、あらためて確かめておく必要があります。消費者庁の資料に沿って、家庭での備えをまとめます。
電池を飲み込むと、短時間で傷がつく
消費者庁の子ども安全メール「Vol.547 ボタン電池誤飲を防ぐために!」(消費者庁)には、電池が消化管の中で電流を流すと、アルカリ性の液体ができ、短時間で消化管を傷つけるおそれがあると書かれています。コイン形のリチウム電池は、電圧が高く平たい形のため、食道などにとどまりやすく、特に危険です。
消費者庁と国民生活センターは、平成26年6月18日に、乳幼児のボタン電池の誤飲に注意を呼びかける公表を行っています(横浜市の掲載ページ)。この公表では、子どものボタン電池の誤飲に関する事故情報が、平成22年4月から平成26年3月末までに90件以上寄せられ、そのうち11件が入院になったとされています。医療機関ネットワークに寄せられた誤飲(疑いを含む)の報告93件では、3歳以下が91件(約98%)、1歳児が54件(約58%)でした。
身近な製品に使われている
同じ公表には、ボタン電池は、玩具のほか、時計、タイマー、LEDライト、体温計、家電のリモコン、電卓などに使われていると書かれています。保護者への調査では、LEDライト、ライト付き耳かき・体温計、リモコン、電卓について、子どもに与えたことがある、または子どもが勝手に手にしているのを見たことがあると答えた人が、それぞれ半数以上でした。
「Vol.547」の事故事例には、キッチンタイマーで遊んだ0歳児、数分目を離した間におもちゃの電池を飲んだ3歳児、美顔器から外れた電池を飲んだ0歳児などが挙がっています。高さ80cmの棚に置いた絵本の電池を、1歳児が床から見つけて飲み込み、胃の中に2個確認された事例もあります。
家庭でできる備え
消費者庁が示している注意点を、家庭で実行する順に並べます。
- 家の中のどの製品に電池が使われているかを確かめ、電池蓋が外れやすくなっていないか点検する
- 蓋が外れるときは、テープで固定するなどの処置をする
- おもちゃは、STマークが表示された、安全に配慮された製品を選び、電池を簡単に取り出せるものは避ける
- 未使用の電池も使用済みの電池も、子どもの手の届かない場所に保管する。使用済みの電池は、速やかに処分する
- 引き出しや扉には、子どもが開けにくい安全グッズを使う
- 電池や電池を使う製品を、テーブルなどに放置しない
平成26年の公表には、電池交換は、子どもが寝ている間など、子どもの目に触れない時間と場所で行い、交換した電池をその場に置いたままにしないようにする、とも書かれています。電池交換のために一時的に目につく場所に置いた隙に、子どもが手に取って飲んだ事故報告があるためです。
きょうだいがいる家庭では、上の子が電池を取り出して置いてしまうことがあります。「Vol.547」では、下の子が飲み込む危険があることを、兄や姉に伝えることも挙げています。
飲み込んだかもしれないとき
平成26年の公表の「専門家からのアドバイス」には、緑園こどもクリニックの山中龍宏医師の言葉として、子どもがボタン電池を飲み込んだ、または鼻の穴に入れたときは、一刻も早く医療機関に行くことが重要で、最悪の場合は死に至るおそれがあるため、すぐに救急車を呼ぶ、と書かれています。電池の種類や状態を確認できれば、医師に伝えます。
飲んだかどうかがはっきりしない場合でも、レントゲンを撮れば電池の有無や位置が確認できるため、誤飲の可能性があるときは、必ず受診する、とあります。休日や夜間の相談先は、救急車を呼ぶか迷うときの「Q助」と#7119にまとめています。
まとめ
ボタン電池は、飲み込むと短時間で消化管を傷つけます。使っている製品の蓋を点検し、電池は未使用でも使用済みでも手の届かない場所に置き、電池交換は子どもの目に触れない時間に行います。誤飲の可能性があるときは、飲んだかどうかがはっきりしなくても、受診します。一度、家の中の電池の場所を見直します。





