お正月に、お雑煮やきなこ餅を家族で囲むのは、楽しみな時間です。一方で、餅は窒息事故が起きやすい食べ物としても知られています。子どもと祖父母が同じ食卓につく年末年始に、家庭でできる備えを、消費者庁の案内に沿ってまとめます。
窒息事故は高齢の方に集中している
消費者庁の「年末年始、高齢者の事故に注意しましょう!」(2025年12月23日公表、消費者庁)には、厚生労働省の人口動態統計(令和6年)をもとに、「気道閉塞を生じた食物の誤えん」による死亡者数が4,383人で、そのうち65歳以上が3,992人(約91%)と示されています。窒息の原因になった食品は、研究では炭水化物が多く、最も多いのは餅だとされています。
2022年12月27日の消費者庁の資料(年末年始に増加する高齢者の事故に注意しましょう)の見出しには、餅による窒息の死亡事故の4割が1月に、約2割が正月三が日に発生していると書かれています。
消費者庁が示す食べ方の5つのポイント
- 餅は小さく切り、食べやすい大きさにする
- 飲み物や汁物で喉を潤してから食べる(ただし、よく噛まないうちに飲み物で流し込むのは危険)
- 一口の量は、無理なく食べられる量にする
- ゆっくりよく噛んでから飲み込む
- 高齢者が食べるときは、周りの人も食事の様子に気を配り、見守る
家庭では、お雑煮の餅を、あらかじめ食べやすい大きさに切って入れておく方法があります。焼いた餅は、冷めると固くなって噛み切りにくくなるため、食べ始めに注意します。
子どもがいる食卓での工夫
祖父母が餅を食べる姿を、子どもが見ていると、同じように食べたがることがあります。小さな子どもは、噛む力や飲み込む力が大人と同じではないため、大人と同じ大きさのまま渡さないようにします。与えてよいか迷うときは、かかりつけの小児科や、自治体の育児相談窓口に聞いておきます。子どもの食事中は、歩き回らせず、座って食べさせ、大人が目の届く場所にいるようにします。
子どもが「見守る側」になる使い方もあります。「おじいちゃん、ゆっくり噛んでね」という声かけは、家族みんなが食べ方を意識するきっかけになります。
見守るときに見ること
消費者庁は、周りの人が、高齢者の一口量や噛み方に気を配るよう呼びかけています。具体的には、次の点を見ます。
- 一口が大きくなっていないか
- 噛まずに、お茶で流し込んでいないか
- 一人で食べていないか
実家に帰省するときは、離れて暮らす親の食事の様子を、あらためて見る機会でもあります。
詰まったときのために
餅が詰まったときの応急手当の手順は、消費者庁が参考資料として挙げている、政府広報オンラインの記事「餅による窒息に要注意!喉に詰まったときの応急手当は?」と、消防庁の応急手当WEB講習で、年末までに一度目を通しておきます。手順は、読んだだけでは身につきにくいので、家族で声に出して確認しておくと、いざというときに動けます。緊急連絡先は紙1枚にまとめて、見える場所に貼っておきます。
まとめ
餅は、小さく切る、喉を潤してからゆっくり食べる、一口を欲張らない、周りが見守る、の4点で扱います。年末年始は、家族の予定が増える時期です。家族の予定をカレンダーにまとめて、帰省や集まりの日に、食卓の準備も話しておきます。





