家電は、壊れてから買い替えるのが最も高くつきます。動かなくなった日に急いで選ぶと、比べる時間がなく、在庫のあるものを買うことになるからです。かといって、まだ動くうちに替えるのはもったいない。判断の材料は3つあります。使った年数、電気代の差、そして修理費です。
材料1 標準的な使用年数を知っておく
メーカーは、修理に必要な部品を製造終了から一定期間だけ保有しています。この期間を過ぎると、故障しても直せません。目安は製品によって違いますが、冷蔵庫やエアコンでおおむね9〜10年、洗濯機で6〜7年前後とされています。
つまり、この年数を超えた家電は「壊れたら買い替え」がほぼ確定します。逆に言えば、その手前で計画を立てておけば、慌てて選ぶ状況を避けられます。買った年をメモしておくだけでも、判断はかなり楽になります。
材料2 電気代の差を年額で見る
省エネ性能は年々上がっているため、古い機種を使い続けること自体が費用になっている場合があります。とくに影響が大きいのは、24時間動き続ける冷蔵庫と、夏冬に長時間使うエアコンです。
比べ方は簡単で、いまの機種と候補の機種の年間消費電力量を見て、差に電気料金の単価を掛けます。差が年に数千円出るなら、10年使う前提では数万円の違いになります。買い替えの費用を、この差で何年で回収できるかという形にすると、判断が数字で見えます。
注意したいのは、洗濯機や電子レンジのように使用時間が短いものです。こちらは省エネによる差が小さく、電気代を理由に買い替える計算は立ちにくくなります。省エネ性能の見方は電気代を押し上げる5つのムダでも触れています。
材料3 修理費と、残りの年数
故障したときの分かれ道がここです。判断の基準としては、修理費が新品価格の3分の1を超えるなら買い替え、というのが一つの目安になります。ただし、それだけでは足りません。修理して直っても、他の部品が同じ時期に寿命を迎えることが多いためです。
買って8年の洗濯機に3万円かけて直すのと、その3万円を新品の頭金にするのとでは、その後の数年が違ってきます。修理を選ぶなら、あと何年使うつもりかを先に決めておくと、後悔が減ります。
兆候が出たら準備を始める
完全に止まる前に、たいてい前触れがあります。冷蔵庫なら、庫内が冷えにくい、モーター音が大きくなる、側面が異常に熱い。洗濯機なら、脱水時の揺れが激しい、途中で止まる、排水が遅い。エアコンなら、設定温度まで下がらない、水が漏れる、においが取れない。
この段階で、候補を2つか3つ選んで価格を見ておきます。買うのはまだ先でも、選び終わっていれば、壊れた日に迷わずに済みます。
買う時期をずらす
家電には、モデルが切り替わる時期があります。新型が出る直前は旧型が値下がりするため、性能に大きな差がない年なら、旧型を狙うほうが得になります。切り替えの時期は製品によって違い、エアコンは秋から冬、冷蔵庫は秋口が入れ替えの時期にあたることが多いとされています。
逆に、需要が集中する時期は避けます。エアコンを真夏に買うと、本体価格だけでなく工事の待ち時間も伸びます。壊れる前に動くことの利点は、この時期の選択にも出ます。
処分の費用も計算に入れる
冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビの4品目は、家電リサイクル法の対象です。買い替えのときにリサイクル料金と収集運搬料がかかるため、本体価格だけで比べると計算が合いません。購入店が引き取る場合の費用を、見積もりの段階で確認しておきます。分別や処分の考え方はごみの分別が自治体で違う理由にもまとめています。
買うときに見ておく2点
候補を絞る段階で、性能表以外に見ておきたいものが二つあります。一つは設置の条件です。冷蔵庫なら扉の開く向きと放熱に必要な隙間、洗濯機なら防水パンの大きさと蛇口の高さ、エアコンなら室外機を置く場所。ここが合わないと、買ったあとに設置できないという事態になります。
もう一つは、消耗品と保証の条件です。フィルターや部品を定期的に交換する製品なら、その費用が毎年かかります。長期保証をつけるかどうかも、この段階で決めておくと、店頭で慌てずに済みます。
搬入経路も測っておきます。玄関の幅、廊下の曲がり角、階段の踊り場。とくに大型の冷蔵庫は、部屋には置けても運び込めないことがあります。メジャーで3か所測るだけの作業なので、候補が決まった日にやっておきます。
データと設定の引き継ぎ
最近の家電は、通信につながるものが増えています。買い替えのときは、古い機種に登録した情報を消してから手放します。エアコンやテレビ、洗濯機でも、家庭内の無線の設定やアカウントが残っていることがあります。
取扱説明書に初期化の手順が載っているので、引き取ってもらう前に済ませておきます。あわせて、保証書や購入時のレシートも、処分するまでは保管しておくと手続きが早く進みます。
まとめ
年数、電気代の差、修理費。この3つで見れば、買い替えるべきかどうかはかなりはっきりします。壊れてから選ぶのがいちばん高くつくので、兆候が出た段階で候補だけ決めておく。決めておけば、値下がりの時期を待つという選択肢も持てます。





