秋になると、さつまいもやきのこ、かぼちゃが店先に安く並びます。つい多めに買うものの、使い方が数種類しか思い浮かばず、気づくと野菜室の奥で傷んでいた。よくある流れです。この3つはそれぞれ保存の性質がまるで違うので、買った日に扱いを決めてしまうと最後まで使い切れます。
さつまいもは冷蔵庫に入れない
意外に思われますが、さつまいもは低温に弱く、冷蔵庫に入れると味が落ちます。適しているのは13〜15度ほどの涼しい場所で、新聞紙に包んで冷暗所に置くのが基本です。夏場や暖房の効いた部屋では難しいので、その場合は早めに加熱してから冷凍します。
加熱の仕方で甘さが変わるのがさつまいもの特徴です。でんぷんが糖に変わる働きは60〜70度あたりでよく進むため、低い温度でじっくり火を通すほど甘くなります。電子レンジで一気に加熱すると、火は通っても甘さは出にくくなります。急がないなら、160度前後のオーブンで1時間かけて焼く、あるいは炊飯器の玄米モードを使うと違いが分かります。
- まとめて焼いてから、1本ずつラップで包んで冷凍する
- つぶしてペーストにすれば、スープにもおやつにも回せる
- 切ったあとは水にさらしてあくを抜くと、色が黒くなりにくい
きのこは洗わない、そして凍らせる
きのこは水分を吸いやすく、洗うと風味も食感も落ちます。汚れが気になるところは、濡らして固く絞った布かキッチンペーパーでふき取れば十分です。
そのうえで、きのこは冷凍にとても向いた食材です。凍らせることで細胞が壊れ、うまみの成分が外に出やすくなるため、生のまま使うより味が出るとされています。石づきを落として食べやすくほぐし、保存袋に平らに入れて凍らせるだけ。使うときは解凍せず、凍ったまま鍋やフライパンへ入れます。
数種類をまとめて一つの袋に入れておくと、味に厚みが出て便利です。しめじ、えのき、まいたけあたりを混ぜておけば、みそ汁にも炒め物にも同じ袋から使えます。冷凍の基本的な考え方は冷凍保存の基本で詳しく扱っています。
かぼちゃは切った瞬間から時間との勝負
丸ごとのかぼちゃは、風通しのよい場所で1か月ほど置けます。ところが切ったとたんに傷みやすくなり、原因はほぼ種とわたです。買ってきて切ったら、その場でスプーンで種とわたをかき出し、ラップで包んで野菜室へ。この一手間だけで持ちが数日変わります。
硬くて切りにくいときは、丸ごと数分電子レンジにかけると刃が入りやすくなります。皮ごと使えるので、下ごしらえで皮をむく必要は基本的にありません。ただし、皮の緑が濃い部分が口に残るようなら、包丁の先で斑に削ぐと食べやすくなります。
3つを一度に片づける日
おすすめは、買った日か翌日に30分だけ時間を取り、3つとも下ごしらえまで済ませてしまう方法です。さつまいもは焼いて冷凍、きのこはほぐして冷凍、かぼちゃは種を取って一口大に切って冷凍。ここまでやっておくと、平日の調理は「凍ったまま入れる」だけになります。作り置きが続く条件については作り置きが続く条件も参考になります。
安く買える時期と、買う量の決め方
秋の野菜が安くなるのは、収穫が重なって出回る量が増える時期です。ただ、安いからと段ボールで買うと使い切れずに終わります。目安として考えたいのは、冷凍室の空きです。下ごしらえして凍らせる前提なら、いま冷凍室にどれだけ場所があるかが、そのまま買える上限になります。
逆に言えば、冷凍室を整理してから買い物に行くと、迷わずに済みます。半端に残った肉や、いつのものか分からない氷を先に片づけておく。買う前の10分が、捨てる量を決めます。冷蔵庫の中を見える状態に保つ考え方は食品ロスは冷蔵庫の中で生まれるで扱っています。
使い切れなかったときの逃げ道
それでも余ることはあります。さつまいももかぼちゃも、加熱してつぶしてしまえばスープやポタージュに回せますし、きのこは冷凍のままつくだ煮にすれば日持ちします。傷みかけを無理に食べるより、まだ元気なうちに形を変えておくほうが確実です。判断に迷ったら、切ってみて断面がぬめる、酸っぱいにおいがする、汁が出ているといった状態なら処分します。
3つを合わせる献立
下ごしらえまで済ませておくと、組み合わせで献立が回り始めます。凍らせたきのことかぼちゃを一緒に煮れば具だくさんのみそ汁になりますし、焼いたさつまいもをつぶして牛乳でのばせばスープになります。きのこを油で炒めてから、さつまいもと一緒にご飯に炊き込むという手もあります。
秋の野菜はどれも甘みと香りが強いので、味つけを濃くしなくても物足りなさが出にくいのが利点です。しょうゆとみりんを少し、あるいは塩とオリーブオイルだけで成立します。調味料を減らせるぶん、平日の調理の手数も自然に減っていきます。
まとめ
さつまいもは冷蔵を避けて低温でゆっくり加熱、きのこは洗わずに冷凍、かぼちゃは切ったら種とわたを取る。3つとも性質が違うので、同じ扱いをすると必ずどれかが傷みます。買った日に下ごしらえまで進めておけば、秋のあいだの平日の献立がかなり楽になります。





