排水口を洗ったのに、次の日にはまたにおう。この繰り返しになるときは、たいてい掃除の仕方ではなく、においの出どころを取り違えています。原因は大きく3つしかありません。ぬめり、封水切れ、配管の詰まりです。どれなのかが分かれば、手当ては十分に短時間で済みます。
まず、においが出るタイミングを見る
原因を切り分ける手がかりは、いつにおうかです。常ににおっているならぬめりか詰まり。しばらく使っていなかったあとだけにおうなら封水切れ。水を流したときだけ強くなるなら、配管の途中に汚れがたまっています。この見立てを先にやるかどうかで、かかる手間がまるで変わります。
- いつもにおう … ぬめり、または配管の詰まり
- 数日ぶりに使ったときだけ … 封水切れ
- 水を流した瞬間だけ強い … 配管内の汚れ
- 雨の日や風の強い日だけ … 通気の問題。管理会社に相談する範囲
台所は油とぬめり
台所のにおいの多くは、排水トラップの内側に張りついた油汚れと、そこに増えた菌のぬめりです。ごみ受けのかごを洗うだけでは届かず、その下の椀型の部品と、さらに下の筒の内側まで外して洗う必要があります。
手順は、ごみ受け、椀、その下の部品の順に外し、古い歯ブラシとスポンジで内側を丸ごとこすります。洗剤は台所用の中性洗剤で十分です。仕上げに50度前後のお湯を流すと、残った油が溶けて流れます。熱湯は配管を傷めることがあるので、沸かしたてをそのまま流すのは避けます。
週に一度この掃除ができないなら、粉末の酸素系漂白剤を月に一度使う方法が現実的です。ごみ受けを外して振り入れ、お湯を注いで30分置いてから流します。塩素系と酸性の洗剤を同時に使うのは危険なので、混ぜないことだけは守ります。
洗面と浴室は封水切れと髪の毛
排水口の下には、水をためて下水のにおいをふさぐ「封水」という仕組みがあります。しばらく使わない洗面台や、旅行で家を空けたあとの浴室でにおうのは、この水が蒸発してふたの役目を果たさなくなっているためです。
手当ては簡単で、水を1〜2分流すだけで元に戻ります。長期間留守にすると分かっているときは、出かける前に少量の水を流しておく、あるいは食用油を数滴たらして蒸発を遅らせるという方法もあります。
浴室でにおいが続く場合は、髪の毛と石けんかすが固まって配管の内側に付いていることが多く、これはぬめりと同じ扱いです。ヘアキャッチャーの下にある封水筒を外し、内側をブラシでこすります。使うたびに髪の毛を取り除く習慣があるかどうかで、この掃除の頻度が数倍変わります。
使う道具をそろえておく
排水口の掃除が続かない理由の多くは、始めるまでの手間です。しゃがんで、ゴム手袋を探して、ブラシがどこにあるか思い出して、という段取りが挟まると腰が重くなります。使い捨てのポリ手袋、柄の細いブラシ、古い歯ブラシ、中性洗剤の4つを、洗面台やシンクの下に一つの箱でまとめておくと、思いついたときに30秒で始められます。
ブラシは、柄が細長く先が小さいものが向いています。排水口の筒は直径が5センチ前後しかなく、大きなスポンジでは内壁に届きません。100円台で売っているボトル用のブラシで十分に足ります。
それでも消えないとき
3か所とも掃除して、封水も戻したのににおいが取れないなら、配管の奥か、床下の接続部に問題がある可能性があります。市販のパイプ用洗浄剤を規定量で試して変わらなければ、自分で分解する段階ではありません。賃貸なら管理会社、持ち家なら水道業者に見てもらったほうが結果的に早く、安く済みます。
においを出さない状態を保つ
掃除の頻度を上げるより、汚れをためない工夫のほうが続きます。台所なら、油を含んだ皿は紙でふいてから洗う。浴室なら、最後に上がった人が冷水を全体にかけて温度を下げる。洗面なら、髪をとかす場所を洗面台から別の場所へ移す。どれも1分もかからず、においの元そのものを減らします。片づけの動線を作る考え方は部屋が片づかない原因は「一時置き」にも通じます。
季節でにおい方が変わる
同じ家でも、においが強く出る季節と気にならない季節があります。気温が上がる時期は菌が増えやすく、ぬめりの進み方が早くなります。梅雨から夏にかけては、それまで月1回で足りていた掃除が追いつかなくなることがあり、逆に冬は間隔を空けても問題が出にくくなります。
もう一つ、暖房や換気扇の使い方でも変わります。窓を閉め切って換気扇を強く回すと、室内の気圧が下がり、封水の弱い排水口から下水側の空気が引き込まれることがあります。掃除をしてもにおうのに、換気扇を止めると収まるようなら、これが原因です。給気口が閉まっていないかを見て、開けておくと解消することがあります。
まとめ
においの原因は、ぬめり・封水切れ・詰まりの3つに絞れます。いつにおうかを先に見て、当てはまるものだけを手当てすれば、毎回すべてを掃除する必要はありません。台所は油、浴室と洗面は髪と封水。この対応表を頭に入れておけば、次に気づいたときに迷わず動けます。





