台風の予報が出ると、まず思い浮かぶのは水と食料の買い出しです。ただ、実際に被害が出るのは家の外まわりであることが多く、買い出しだけ済ませて安心していると、通り過ぎたあとに片づけの山が残ります。やることをベランダ・窓まわり・停電の3か所に分ければ、前日でも2時間ほどで一通り終わります。
ベランダは「飛ぶものを残さない」だけ
いちばん効くのがベランダの片づけです。風で飛んだ物は自分の家の窓を割るだけでなく、隣家や通行人に当たれば責任問題にもなります。判断は単純で、持ち上げて動くものはすべて室内へ入れます。
- 物干し竿は外して床に寝かせるか、室内へ入れる
- 植木鉢、サンダル、ほうき、ごみ箱は室内へ
- エアコンの室外機は動かさない。上に物を載せているなら外す
- すのこや人工芝は、風が入り込んでめくれるので巻いて固定する
見落としやすいのが排水口です。落ち葉や砂で詰まっていると、短時間の大雨でベランダに水がたまり、サッシの下から室内へ入ってきます。ふだん掃除していない場所なので、点検のついでにごみを取り除いておきます。
集合住宅の場合
マンションのベランダは避難経路を兼ねている場合があります。隣との仕切り板や避難ハッチの前に物を置いていると、いざというときに動かせません。台風の点検を、その配置を見直す機会にすると一石二鳥です。
窓は割れる前提ではなく、飛来物を想定する
窓が割れる原因は風圧そのものより、飛んできた物が当たることのほうが多いとされています。つまり、外に飛ぶ物を減らすことが最大の窓対策になります。そのうえで、室内側でできることが二つあります。
一つはカーテンを閉めておくこと。万一ガラスが割れても、破片が部屋に散るのをある程度抑えられます。厚手のカーテンなら効果は上がります。もう一つは、雨戸やシャッターがある家なら必ず閉めることです。ここを使わずに養生テープの貼り方を悩むのは順番が逆になります。
養生テープを内側から貼る方法は、飛散を抑える補助にはなりますが、ガラスそのものを強くするわけではありません。時間があれば、という位置づけで構いません。窓のさんに雑巾を詰めておくと、吹き込んだ雨がサッシからあふれるのを遅らせられます。
停電は「暗さ」より「情報」と「冷蔵庫」
停電で困るのは暗さだと思われがちですが、実際に効いてくるのはスマートフォンの電池と冷蔵庫です。モバイルバッテリーは台風が近づく前に満充電にしておきます。数日つながらない可能性を考えるなら、停電中は機内モードを併用して消費を抑える手もあります。
冷蔵庫は、停電したら開けないのが基本です。扉を閉めたままなら数時間は保冷が効きます。事前にできる対策として、製氷室の氷を袋に移して冷凍室に詰めておくと、庫内の温度が上がりにくくなります。保冷剤があれば同じ役割を果たします。
照明は懐中電灯よりランタン型のほうが実用的です。手がふさがらず、部屋全体がぼんやり明るくなります。持っていない場合は、懐中電灯の上に水を入れたペットボトルを載せると光が拡散します。ろうそくは、余震や停電時の混乱の中では火災の危険があるため避けたほうが無難です。備蓄の考え方そのものは備蓄はローリングストックでにまとめてあります。
車と自転車も屋外の持ち物
忘れられがちなのが車と自転車です。自転車は倒れるだけでなく、風にあおられて動きます。屋根のない駐輪場なら、前の車輪を柵にくくる、あるいは倒しておくほうが安全です。車は、冠水しやすい低い土地や川沿いの駐車場に置いているなら、高い場所へ移すことを早めに検討します。水がのぼり始めてから動かすのは危険で、判断は明るいうちに済ませるのが原則です。
庭に物置やごみステーションがある家では、ふたが飛ばないかを見ておきます。ふたが軽い樹脂製の場合、ロープや重しで押さえるだけで違います。
やる順番
前々日までに、モバイルバッテリーの充電と備蓄の確認。前日に、ベランダの片づけと排水口の掃除、雨戸の点検。当日の朝に、カーテンを閉めて浴槽に水をためる。この順番なら、風が強くなってから外へ出る必要がなくなります。最新の進路や警報は気象庁の発表で確認してください。
通り過ぎたあとにやること
風が弱まっても、すぐに外へ出るのは避けます。飛来物やちぎれた枝、切れた電線が落ちている可能性があるためです。明るくなってから、ベランダと窓まわり、雨どい、外壁を順に見ます。雨どいに葉が詰まっていると、次の雨で水があふれて外壁を傷めます。
停電が復旧したあとは、通電火災に注意します。倒れたままの電気ストーブや、水に濡れた家電に電気が流れると出火の原因になります。停電中にブレーカーを落としておき、復旧後に家の中を確認してから戻すのが安全な手順です。
まとめ
台風対策で最も効果が大きいのは、買い出しではなくベランダの片づけです。飛ぶ物を残さない、排水口を通しておく、雨戸を閉める、電池と冷蔵庫の準備をする。この4つだけでも、通過後の被害と後片づけはかなり変わります。風が出てから外に出ないで済むよう、前日のうちに手をつけておくのが結局いちばん安全です。





