鍋の季節になると土鍋を出しますが、使い方を少し外すと数年でだめになります。買った直後の目止めと、火にかける前の確認。この2つで持ちがまるで変わります。
買ったらまず目止めをする
土鍋の表面には細かい穴があります。そのまま使うと水分がしみ込み、ひび割れや水漏れ、においの原因になります。穴をふさぐ作業が目止めです。
手順は難しくありません。鍋の8分目まで水を入れ、冷やごはんを茶碗1杯ほど溶き入れて、弱火で20分ほど炊きます。火を止めてそのまま冷まし、冷めてから洗って完全に乾かします。でんぷんが穴に入り込んで膜になります。
- ごはんの代わりに小麦粉や片栗粉を使う方法もある
- 吹きこぼれやすいので、火は必ず弱火にする
- 冷ます途中で水を足さない。急な温度差がひびの原因になる
使ううちに膜は薄くなります。水漏れやにおいが出てきたら、同じ手順でもう一度目止めをします。年に1回、シーズンの初めにやっておくと安心です。
火にかける前に見る2か所
1つは鍋底です。濡れたまま火にかけると、水分が急に膨張してひびが入ります。布巾で拭いてから置きます。
もう1つは中身の量です。空焚きは一発で割れます。調味料だけを先に温めるといった使い方も避けます。水分が十分に入った状態から始めます。
火加減の基本
いきなり強火にせず、弱火から中火へ上げます。土鍋は熱を溜める性質があるので、沸くまでは時間がかかりますが、いったん温まれば冷めにくくなります。
ガスコンロの場合、炎が鍋底からはみ出すと側面が傷みます。底の内側に収まる大きさに調整します。IH対応と書かれていない土鍋は、IHでは使えません。専用のプレートを使う方法もありますが、対応の表示を先に確かめます。
洗い方としまい方
熱いうちに水をかけると割れます。粗熱が取れるまで待ってから洗います。洗剤は使えますが、つけ置きはしません。土が洗剤を吸って、次に使うときににおいが出ます。
いちばん大事なのは、乾かし方です。ふきんで拭いただけでは中まで乾いていません。ふたを外して風の通る場所に半日から1日置き、完全に乾いてからしまいます。湿ったまま収納すると、次に出したときにカビが出ます。
においが付いたとき
鍋に水を張り、茶がらを入れて弱火で10分ほど煮ると和らぎます。酢を大さじ2ほど入れて煮る方法もあります。どちらの場合も、そのあとよく洗って完全に乾かします。
ひびが入ったら
細かいひびは、目止めと同じ方法でふさげる場合があります。おかゆを炊いて、でんぷんをひびに入り込ませます。冷めるまで置いておくのが要点です。
水を入れて漏れる、ひびが底まで通っている、割れて欠けている。この3つのどれかに当てはまるなら、火にかけるのは危険です。買い替えます。
収納の場所
重ねて置くと、ふたと本体がぶつかって欠けます。あいだに布かキッチンペーパーを1枚挟みます。シンク下のような湿気の多い場所は避け、風の通る棚に置きます。
使う頻度が高い季節は、出しっぱなしのほうが乾きます。一時置きを作らない工夫と同じで、季節ものは使う時期だけ手前に出しておくほうが扱いやすくなります。
使う人数と大きさ
土鍋は、人数に対して小さいと吹きこぼれ、大きいと重くて扱いにくくなります。目安として、2人なら直径24センチ前後、4人なら27センチから30センチが使いやすい大きさです。
1人で使う機会が多いなら、小さめを別に持つほうが便利です。大きい鍋を毎回出すのは負担になり、結局使わなくなります。
電子レンジとオーブンの可否
土鍋は種類によって、電子レンジやオーブンに使えるものと使えないものがあります。金彩の装飾がある鍋は電子レンジで火花が出ます。購入時の表示を確かめ、分からないものは使いません。
直火専用の鍋を空焚きに近い状態でオーブンに入れると、割れる可能性があります。用途を広げたい場合は、対応と書かれた製品を選びます。
鍋のあとの雑炊まで
土鍋は保温力があるため、火を止めてからも余熱で火が通ります。雑炊やうどんを入れるときは、火を弱めにしてから加えると煮崩れません。
食べ終わったあと、残った汁を入れたまま長く置くと、土がにおいを吸います。食後は別の器に移し、鍋は空にしておきます。
まとめ
土鍋で押さえるのは、最初の目止め、濡れたまま火にかけない、完全に乾かしてからしまう、の3点です。年に1度目止めをやり直せば、同じ鍋を長く使えます。





