家計簿が続かなくても、支出は減らせます。毎月の記録より効くのは、年に1度、契約しているものを一覧にして見直す作業です。1時間あればひととおり終わります。
見るのは3つだけ
棚卸しの対象は、毎月または毎年、自動で出ていくお金です。具体的には固定費、保険、定期課金の3つになります。食費や日用品のような変動する支出は、この作業では扱いません。
理由は単純で、固定費は一度下げるとその後ずっと効くからです。毎日の買い物を我慢する形より、負担が小さく続きます。
手順は明細を上から見るだけ
用意するのは、銀行口座の入出金明細とクレジットカードの利用明細です。直近12か月分を開き、毎月同じ金額が並んでいる行に印を付けます。
- 毎月同額 … 通信、保険、サブスク、ローン、習い事、駐車場
- 年に1回 … 年会費、更新料、自動車保険、各種会費
- 思い出せない名義 … 検索してサービス名を確かめる
思い出せない請求ほど、使っていない契約である可能性が高くなります。ここを止めるだけで、翌月から支払いが減ります。
固定費の見直し順
金額の大きいものから手を付けます。住居費は動かしにくいため、次に大きい通信費と保険から見ます。通信費は、契約している通信量と実際の使用量が合っているかを確認します。通信費の見直しは一度で年単位の差が出る項目です。
電気とガスは、契約プランと使用量の組み合わせで変わります。生活の時間帯が変わったのにプランを変えていない場合、割高なまま続いていることがあります。
保険は重複を探す
保険は、加入した時期がばらばらだと同じ保障が重なります。医療保険とクレジットカードの付帯保険、勤務先の団体保険、共済。この4つを並べて、同じ内容が2つ以上ないかを見ます。
子どもの独立、住宅ローンの完済、転職といった節目のあとは、必要な保障額が変わります。保険の見直しの手順にある4つの問いを使うと、増減の判断が付きます。
定期課金は数を数える
動画、音楽、クラウド、アプリ、雑誌の読み放題。1つ数百円でも、5つあれば月に数千円になります。使った回数を思い出せないものは、いったん止めます。
止めても、必要になればまた入れます。多くのサービスは再開の手続きが簡単で、止める判断のほうが取り返しがつきます。
年払いは更新日を控える
年払いのものは、更新日をカレンダーに入れておきます。10日前に通知が出るようにしておけば、意図しない自動更新を防げます。
減った分の行き先を決める
固定費が下がると、そのぶん生活費に溶けます。減った金額を、別の口座へ自動で移す設定にしておくと、残ります。金額が小さくても、自動にすることが続く条件です。
年に1度の作業なので、次にやる時期も決めておきます。年末か、年度が変わる3月あたりが区切りとして分かりやすい時期です。
家族で共有する
棚卸しの結果は、家族に共有します。何にいくら払っているかを1枚にまとめておくと、増やすときの判断が早くなります。細かい費目まで書く必要はなく、固定費の合計と主な内訳で足ります。
共有しておくと、万一のときにも役立ちます。契約先の一覧があるだけで、手続きの手間が大きく減ります。
下げにくい費目の考え方
住居費、学費、医療費は、簡単には動かせません。ここを無理に削るより、下げやすい費目から手を付けます。順番を間違えると、生活の質だけが落ちます。
ローンがある場合は、借り換えで金利が下がるかを見ます。残りの期間と残高によっては、手数料を払っても得になることがあります。試算だけなら金融機関のサイトでできます。
やらないと決めること
すべての支出を1円単位で追う必要はありません。レシートを全部取っておく、家計簿アプリの分類を細かく設定する。こうした作業は続かないうえ、固定費ほどの効果が出ません。
年に1度、明細を上から見る。それだけを続けるほうが結果が残ります。
まとめ
棚卸しで見るのは固定費、保険、定期課金の3つです。12か月分の明細を上から見て、思い出せない請求と重複を止める。これだけで、翌月から毎月の支出が下がります。





