夏のあいだは、暑さを理由にいろいろなことが後回しになります。寝る時間が遅くなり、食事が簡単なもので済み、片づけが止まる。涼しくなれば戻る、と思っていても、崩れた習慣は自然には戻りません。秋は立て直しに向いた季節ですが、やり方を間違えると三日で終わります。
全部を戻そうとしない
いちばんよくある失敗が、9月に入った途端に何もかも元に戻そうとすることです。早起きして、自炊して、運動して、片づける。同時に始めると、どれか一つが崩れた時点で全部が止まります。
戻すのは3つまでと決めます。その3つは、他のことにいちばん影響するものから選びます。たいていの場合、起きる時間、食事の時間、寝る前の片づけの3つが土台になります。ここが戻ると、残りは後から付いてきやすくなります。
1 起きる時間から手をつける
寝る時間を早めようとしても、眠くならなければ布団の中で過ごす時間が延びるだけです。動かすなら起きる時間のほうが確実で、朝の光を浴びた時刻から体内時計が動き出すためです。
ただし、いきなり2時間早めると続きません。15分ずつ、数日ごとにずらします。1週間で1時間戻れば十分な速さです。休日に寝だめすると、そこで戻し直しになるので、休みの日でも起きる時刻は1時間以内の差に収めます。
寝る前の環境も一緒に戻す
夏のあいだ、冷房と扇風機の音、遅い時間の入浴、寝る直前までの画面。これらが習慣として残っていると、起きる時間だけ動かしても続きません。寝室の温度と、寝る1時間前の過ごし方を、同じ週に見直すと定着します。詳しくは睡眠の質を左右する7つの習慣にまとめています。
2 食事は「時間」から戻す
夏に崩れるのは、食べる内容より食べる時間です。暑くて食欲がないから抜く、夜に遅く食べる、間食で埋める。この状態が続くと、内容を整えようとしても土台が定まりません。
まず、朝と昼の時刻を戻します。内容は簡単なままで構いません。時間が定まると、自然に量も戻ります。逆に、いきなり品数を増やそうとすると、支度の負担で数日で止まります。
秋は食材が安くなる時期でもあるので、内容を整えるにはいい季節です。ただ、そこに手をつけるのは時間が戻ってからにします。
3 片づけは「寝る前の5分」だけ
散らかった状態が続くと、それだけで生活全体が重く感じられます。ただし、大がかりな片づけを予定に入れると、着手そのものが延びます。
戻すのは、寝る前の5分だけと決めます。テーブルの上を空にする、床の物を戻す、シンクを空にする。この3つのうちどれか一つでも構いません。翌朝の景色が変わると、続ける理由が自分で分かるようになります。
崩れた日をどう扱うか
立て直しの途中で、必ず崩れる日が来ます。飲み会、体調不良、忙しい週。ここで「また失敗した」と考えると、そのまま戻らなくなります。
あらかじめ、崩れたときの戻り方を決めておきます。1日崩れたら翌日から同じことをする。3日以上空いたら、3つのうち1つだけに減らして再開する。決めておけば、崩れた日が終わりの合図になりません。
記録は丸だけでいい
できた日にカレンダーへ印をつけるだけの記録が、いちばん続きます。内容や反省を書こうとすると、書くこと自体が負担になって止まります。並んだ印を見て、途切れさせたくないと思えれば、それで十分に機能しています。
始める時期
涼しくなってからでは遅い、ということはありません。むしろ、朝晩が過ごしやすくなってからのほうが体は動きます。9月の上旬はまだ暑さが残るので、無理に始めず、朝に窓を開けて涼しいと感じた日を合図にする、という決め方もあります。
戻さなくていいものもある
立て直しというと、夏の前の状態にすべて戻すことだと考えがちです。ただ、夏のあいだに簡略化したもののうち、そのままでよかったものも混ざっています。品数を減らした食事、やめた買い置き、間引いた掃除。困っていないなら、戻す必要はありません。
むしろ、この機会に手放すものを決めるほうが効きます。夏に一度も使わなかった道具、着なかった服、開かなかった本。暑さを言い訳に止まっていたのではなく、そもそも要らなかったものが見つかることがあります。
季節の変わり目に体がついてこない日
9月は気温差が大きく、体調が安定しない時期でもあります。予定どおりに動けない日が続いても、それは習慣づくりの失敗ではありません。体を優先して休む日は、記録の上でも空欄でいいと決めておきます。
衣類や寝具の入れ替えも、この時期に重なります。手順そのものは衣替えを1日で終わらせる手順にまとめてありますが、習慣の立て直しと同じ週に重ねると、どちらも中途半端になります。週を分けるほうが確実です。
まとめ
戻すのは3つまで。起きる時間、食事の時刻、寝る前の5分。全部を同時にやらず、15分ずつ動かす。崩れた日の戻り方を先に決めておく。この形なら、秋の立て直しが三日で終わることはなくなります。





